斎藤工、永野に一目惚れ!フィガロジャポン×『MANRIKI』トークイベント



映画『MANRIKI』と人気雑誌「フィガロジャポン」によるトークイベントが行われ、主演の斎藤工と永野が登壇した。(2019年11月24日 二子玉川 蔦屋家電)

斎藤工を筆頭に、永野、金子ノブアキ、清水康彦を主要メンバーとする「チーム万力」により製作された本作は、小顔になりたいという女性の願望に対して、万力を使って小顔矯正をするが、ファッショナブルな映像と独特な表現で、予想外の方向へと展開していくブラックコメディ。永野による原案・脚本で、ふたりとも出演している。

公開が迫った映画の特別映像が流れる中、お客さんとハイタッチしたり、特製『MANRIKI』シールを配ったりしながら登場した斎藤と永野。本作のプロモーション活動中に、永野を称賛する言葉をとことん語ってきた斎藤だが「“ラッセンの人”だけじゃない。独創的でアーティスティックで唯一無二。何層にもなった奥行きに自然と惹かれた」と告白すると、永野は「みなさんからしたら羨ましい立場なんですけど、斎藤工からの愛の言葉は聞き飽きた!」と贅沢にもそっけない態度で沸かせた。

斎藤は「フィガロジャポン」で『齊藤工 活動寫眞館』を連載している。同誌の1月号では、本作の撮影を監督したフォトグラファーの荒井俊哉が彼らを撮りおろしているが、共通するスタッフが多数関わっていることから、斎藤が映画のタイトルを「フィガロジャポンにします?(もしくは)荒井さん」と、まさかの提案で笑いを誘った。

映画化のきっかけは、永野が小顔矯正にハマっている人たちを見て「万力で締めたらいいんじゃない?という映画にしよう」とのアイデアを冗談で話したところ「昨日言っていた映画、どうしますか?」と斎藤が真剣に受け取っていたことからスタートしたという。

「今年は『岬の兄妹』『メランコリック』『ひとよ』と、重要な意味を持つ、意味深い日本映画が生まれていますけど、『MANRIKI』もそのひとつになるんじゃないかなと思います」と話題となった実力作を並べ、爪痕を残す意欲を見せた斎藤。

本作について「いい意味で気取って、いい意味で深層心理に近づいちゃった映画になった。腹がったらそれでいいので、リアクションして!」と永野は興奮気味に語り、斎藤は「永野さんに会って感じた違和感というか、世界観って言語化できないものだったんです。映画って言語化できないものを表現する最大の手段だと思っていて」と永野と映画の共通点を挙げた。

さらには「言葉で言い訳するのがすごく嫌で、作品至上主義で生きていきたいと思っているので『MANRIKI』に言葉にできない部分をすべて込めた。素晴らしき世界だと思って感じている純度100%でできた」と渾身の思いをコメント。しかし順風満帆ではなかったようで「色んな規制に縛られたり、作るなと言われたり。宣伝で出た番組なのに、急にスポンサーから『MANRIKI』の宣伝はしないでほしいと言われたり。今の時代と逆行しているものが、本当の映画であってほしい」と切実な思いも吐露した。

イベント終了後にマスコミ向けの囲み取材が行われた。内容は以下のとおり。

Q.小池樹里杏さんと、SWAYさんの起用理由は?
斎藤 監督が「この子どうだろう?」という感じで決めました。それが見事にハマったなと。

Q.斎藤さんは過去の作品でも芸人さんとコラボをしていますが、芸人さんとのコラボを望む理由は?
斎藤 チャップリンもそうですけど、海外だとコメディができる人って一番何でもできる人というか。日本の芸人さんたちの能力は、(北野)武さんのように、国内にとどまらない方が俳優さん以上に宝庫な気がしていて。永野さんに会った時は、デビッド・リンチ監督とか、自分が衝撃を受けてきた世界観を持ったフィルムメーカーたちに近いと。日本にこんな人いないんじゃないかなと思って、一目惚れというか。

Q.演じる上で、心がけたことは?
斎藤 演じないことですね。スイッチを入れて立ち上げるというよりは、カットがかかった後でもカメラを回している時も、そう在るということが、究極のお芝居だと思っています。
永野 僕は役者さんじゃないので。確かに演じようとはしなかったというか。僕は今回、自分の中にいるコイツと思うものを出しました。

Q.企画のもとになったアイデアはどういう形になりましたか?
永野 小顔にするために万力で締めるというアイデアは、映画の中でも表現しています。小顔矯正スプラッター映画というのは、入り口であって。自分の中の闇というか、斎藤君の中にもそれを見つけちゃいましたという感じで。板谷由夏さんは「これは斎藤君の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』だ」って言ってくれたんです。
斎藤 永野さんのアイデアの、万力で人の顔に圧をかけたらどうなるんだろう。その状態の女性が満足気に街を歩くという姿が浮かんだんですね。それを映画にしたいというのは叶っています。行き過ぎた美というか、美に対する追及心の怖さが主線になっています。

質問した記者に対して「シールをあげてください!」など穏やかな雰囲気を作る気配りと、真摯に答える姿勢を最後まで貫いたふたり。劇中ではガラリと様変わりした刺激的な姿に圧倒されるだろう。

取材・撮影 南野こずえ

『MANRIKI』R15+
©2019 MANRIKI Film Partners
11月29日(金) シネマート新宿ほか全国順次公開

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